最近のことだが、当社は新しい就業形態を導入した。在宅勤務。
その前に、何人かの経営者に問い合わせをしてみた。
「在宅でできる仕事ってある?」
考える間もなく全員が言った。「ない」 ・・本当にそうだろうか?
わざわざ人を配置しなくても熟せる仕事。誰がやってもいい仕事。
別に急いではいないけれど、業務が簡潔・効率的になる仕事。
どの会社にも絶対あるはずだ。気づいていないだけじゃないの?
日々の忙しさに、ただやることが目的になっていて、そして、それはこうしなきゃできない、この人じゃないと・・という先入観の元に、業務の忙しさや煩雑さの原因まで考えていないんじゃないの?
そう思ったから、やってみようと思った。
洗い出してみたら、そういう仕事がたくさんあることに気付いた。
加えて、在宅勤務を望む女性はとても多い。ただ、誰でもお任せできるわけではない。だから、信用できる人に相談してみた。
「心当たりがあります。」 あっという間に紹介してくれた。
小学校低学年と幼稚園児のお子さまを持つ女性。結婚前は営業職。
すぐに面接をして、その日のうちに仕事を出した。
スキルを測るため比較的簡単なもの。仕事の仕方を知りたかった。
こちらも留意した。どれだけ判り易く、指示できるか?
お互いのコミュニケーションがとても大切な就業形態だと思う。
彼女はこまめに連絡をくれ、2日程度で適当な量のサンプル数を出し、判らないことはまとめて質問をし、判断を仰いでくれた。
彼女は面接の時に言っていた。
「お金はいいんです。今自分にできることは何でもしたい。今のうちに社会復帰しておかないと・・と思っています。よろしくお願いいたします。」
私が言ったのは1点だけである。
「どこでやろうが〝仕事〟です。けじめをつけてやって下さい。」
女性の就業支援は、私の、当社の、永遠のテーマである。
働きたい人がそこにいて、相応の能力を持っているのであれば、労働者にあう仕事を提供する形を考えるのも会社の役割のひとつだ。
これからは、その位の柔軟性も必要では・・・と思っている。
この記事を書いている間に、また彼女からメールが入った。
やる気を維持して頂けるよう、無理をさせずにお仕事を出していきたい。そう、続けることが大事だから。