初めて会った時に、その人はコツコツと作業をする従業員の前で言った。
「ウチの会社、危ないんですよ。(起業して)5年なんですけどね。もう無理かなーと思って・・。社長は会社をやられて何年ですか?」
大きな声で会話をする2m先に従業員がいるのだ。私はヒヤヒヤした。
会社の経営が厳しいなどと、初めて会った人に言うものではない。
しかも、自分の会社の従業員の前で。聞いている人はどんな思いを抱くのだろうかとは思わないのだろうか?
甘えている。その時点で、経営者失格だ。クライアントが用意した人だからしょうがないけれど、この人には近づきたくない・・私はそう思っていた。
で、次はこう来た。
「ぜひ社長のお話を聞きたいので、一緒に飲みに行きましょうよ。この近くでいいですよ。今日でもどうですか?」
何回も言うが、この日が初対面である。やんわり断わったら、彼はなんとクライアントにも私との席を設けてほしいと言ったそうだ。
自慢じゃないが、ろくに知らない人が私を宴席に誘うことなどまずない。
そういうの嫌いって全身からオーラを発しているからね
逆に勇気あるわ。でも、それはやっぱりちょっと違うでしょ。
で、極め付け。「今、社長のLINEに今メッセージを入れたんですけど。」
えっ?仕事の連絡でいきなりLINEですか?メールじゃなくって?・・・
少なくともこの田舎では、LINEはまだ公式なビジネスツールとは言えないんじゃないだろうか。私、基本ブロックにしているし。
この距離感、空気のよめなさ。やっぱりありえない・・・
彼の会社の経営状況が本当に厳しいというならば、仕事の内容・精度以前に、こういうところが問題じゃないんでしょうかね。
見ている人は見ている。感じる人は感じる。私はそう思います。