保育士の給料はなぜ安いのか?

お上の方では、保育士の給料を2%UPするとか、12,000円UPするとか、いや50,000円だ!などと仰っていますが、保育士の給料がなぜ安い(と言われている)のか?という根本を分析した方が良いと思います。

以下は、あくまでも私個人の意見ですが・・・
1.保育士の給与は全て公費から出ている。
運営主体の多くは社会福祉法人であり、自ら稼ぐことができないため、行政から給付される費用のみで運営しなくてはならない。園舎の改装費や備品などの消耗品費などの整備費は含まれないため、それらも給付費から償却しなければならず、余裕のある法人は少ない。
稼げない・・というのは、従業員の給料にとても影響すると思いますね。

2.保護者が負担する保育料が少なすぎる。
A: 24,400円  B: 6,900円  C: 1,300円  D: 3,000円
E: 11,400円  F: 0円     G: 26,100円  H: 64,000円
I: 41,000円  J: 26,100円  K: 15,500円

ちょっと見づらいですが、上記はある保育園に通うお子さま(0~2歳児)10名の1ヶ月の保育料です。パッと見て安すぎると思いませんか?
合計金額219,700円。1人当たりの平均保育料21,970円/月。
福利厚生費を入れたら、保育士1名分のお給料にもなりません。

では、10名のお子さまに保育士は何人就けなければならないのか?
3~4名です。
月齢が低い子が多かったりすると、場合によっては5名か6名か・・・。
完全な赤字なんです。

そもそも保育園とは〝保育に欠ける〟お子さまのための〝福祉施設〟。
それが今では、例の「保育園落ちた。私活躍出来ねーじゃねーか。」というあのブログに代表されるように、『働くママ達が子どもを預ける場所』という認識になっている。

時代の流れにより、施設の役割が変化するのは良しとしましょう。
であるならば、保育料の概念も変えなくてはおかしいと思いますが・・。
今の保育料の設定は、あくまでも〝福祉〟の概念であり、〝就労支援〟ではないはずですから。
平均2万そこそこの金額で子どもを預けられると思うから、本当は必要のない人まで預けて、待機がどんどん増えるんじゃないんですかね?

0~2歳児は、この金額じゃとてもやってられませんよ。
私は絶対イヤですね。(そりゃ、メッチャ可愛いですけどハート

皆さん、保育園を増やしたらいいって簡単に言いますけどね。120~150名定員の保育園の年間維持費は、2~4億円かかるんです。ほぼ公費。
その約8割が保育士の給料。求めるのであれば、保護者にもそれなりに負担して頂きたいと思いますが。

3.作業を合理化していない。
これは、現場の仕事の仕方に原因があるという見方です。
保育士の仕事は業務量が多い。それにしては給料が安いという理屈らしいのですが、本来の仕事内容と給料はあっていると私は思っています。

ただ〝作業〟にかかる時間は、確かに多すぎる。
というのは、〝作業〟を機械に任せずに人間がやっているからです。
それは現場の意識を大幅に切り替えないとダメでしょうね。
本来の仕事以外の作業を仕事だと思っているから、業務が多い割には給料が安いという理屈になるのではないでしょうか?

というのが、私の見解ですが。

当社では作業を合理化して、保育と、考える仕事にお給料を支払います。
その分、保育士にはないと言われている残業代もほぼ全部払います。
先日の職員会議は、日々の保育、指導計画、5領域のこと・・・3時間みっちり話し合いをしました。準備もしてあって、立派でしたよ、先生方。
それが、保育以外の本来の仕事です。
当社は民間ですので、正々堂々と稼いで(大丈夫かなぁ。私、儲けられない体質なので。)、先生方を高給取りにしてあげたいですね。


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