しばらく新しい作品を読んでいないうちに、本を読むスピードがだいぶ遅くなってしまった。アタマがなかなか読む〝ノリ〟にならなくて、ちょっと苦戦。何でも劣るものなんですねぇ


結局、1日がかりで読めた本は1冊のみ。
『営業零課接待班』
(安藤佑介著 講談社文庫発行)
お仕事小説だったので、ラクに読めると思って選んだのだけど、舐めていましたね。
でも、とっても面白かったですよ!
簡単に言うと、退職勧奨された7名と、内定取消された新卒1名の、落ちこぼれ社員8名が、新設部署で奮闘する物語。
それが、なかなか気持ちに響くんですよ。
仕事っていうのは、こういうことが基本だったな。とか、ズルいことしたら、結局は絶対相手に解っちゃうよね。とか、組織は、実は非形式的なものの方がいざという時に力を発揮するのよ。など。
特に、皆で気合を入れて作った15億円の提案書と見積が、仕様要件にあっていななかった(いわゆる凡ミス。確認ミス。)ために、競合他社とのコンペの土俵に上がる前に「失格」を告げられるところなど、課員のうなだれ具合が理解できて、たまらなかったですね。
こういうことって、実社会でも無きにしも非ず。
たった1文字足りなかっただけで、たった1分遅れただけで、パーになった商談やコンペ、私も経験していますから・・。
テーブルを叩いて泣き崩れた野辺山(営業2課から異動してきた32歳。)の気持ちがよーく判りました。
だけど、この厳しさがビジネスなんですよ。
だからこそ慎重になるし、何回も確認するし、完璧を目指すし、細かいことを煩く言うんですよね、私は。
ちょっとした自分のミスが、お客さまに迷惑をかける。
身内の足を引っ張る。会社に損失を与える。
女性は、こういうほんの小さなことが命取りになるような経験をしている人って意外に少ない。だから、何をするにも大胆で、適当過ぎて、危機感なし。びっくりすることも多いです。
とにもかくにも、題名も、中身も十分面白い作品。
それぞれにクセと弱さを持つ課員のキャラクターも魅力的です。