事情はお話しないが、『
母子家庭等就業・自立支援センター』 の担当者が当社が運営する事業所内保育施設にいらした。私はアポがあり同席できなかったので、クライアントの担当者と先生方に応対をお任せ。
終了連絡を先生方から受けた時、「あちらの方が社長のことをご存知だったんですけど・・。」 「だーれ?」 「◎◎さんです。」 「あぁ、知ってる。」
聞けば、ご挨拶のために名刺を頂戴したので、こちらも返さなければ・・と、先生方は私の名刺をお渡ししたという。
それを見たあちらの方の目が急に泳ぎだしたというのだ。あらら・・・
5年位前、私は母子家庭等の方を対象に就業支援の講師をしていた。
何回かのカリキュラムを終えた後、最後に就労に関する面談を行う。
一人で育てなければならないお子さまのためにも、自分のためにも、何とかお仕事に就いてほしい・・私は真剣にそう願って対応していたつもりだ。
しかし、現実はどうやら違うところに問題があるのだと・・と私は理解した。
一人親家庭には様々な助成金や手当が支給されている。
私は実際に受講者から聞いたが、その金額にはちょっと驚くレベル。
それは、どうやら収入によって制限されているらしい。(詳細は不明だが)
そうすると、人は何を考えるのか?
助成金や手当を〝満額もらう〟ことを前提に仕事を探すようになるのだ。
ゆえに、週1日しか働けません。とか、毎日働くんだったら1日2時間しか働けません。・・・という〝要望 (わがまま?)〟を伝えてくる。
しかし、そんな労働者を、いったいどんな会社が採用するというのだろう。
一生懸命日本経済を支えて来て下さったおじさま達が、定年を終えて、年金をもらいながら働くのとはわけが違う。
受動的に手に入る (何もしなくても頂ける) お金は、単なる目先のお金でしかなく、自分に身に着くものなどない。
そして支援とは、あくまでも 『自立』 ありきのものでなくてはならない。
テクニック以前に、一人ひとりが自分の足で立つために意識改革を促すことこそが、この手の職業訓練に求められるのではないか?
当時、私はろくに働く気もない人に、税金を使ってのこのような訓練は勿体ない。終了しても当社で雇うこともできないし、とてもじゃないけれど派遣先にも紹介できないから、今後は協力できない。そう言ったのだった。
一人親でも、自らの力で一生懸命立っている人もいる。
派遣社員として面接に来たMH ちゃんもそうだった。
子どもが小さくて、仕事ができる時間に制限がある。預け先はどうにかするので、出来るだけ残業のない会社を紹介してくださいと言われ、将来転職をするだろうことを考えて、銘柄のいい派遣先を用意した。
MH ちゃんは4年間そこでしっかりとお勤めし、そろそろフルタイムで働けるようになったのでと、正社員の仕事を確保したのだ。
受動的な目先のことに拘っている人には、こんな好機を引き寄せることはできないだろう。彼女が、コツコツと自分のできることを積み重ね、努力して、自力で得た結果である。こういう女性こそ、私は支援してあげたい。
それにしても、あちこちでケンカしちゃっているから、気をつけないとな

良かった。あの日にアポがあって。
あちらにとっても、私に会わずに済んで良かった・・わよね。きっと。