責任の所在

オリンピックのエンブレム問題で話題の佐野研二郎氏が、今度はサントリーのトートキャンペーンで世間をにぎわしている。
(SUNTORY)
(MR_DESIGN)

このニュースを耳にした瞬間、あーあ。お気の毒に・・・と思ったのは私だけではないはずだ。(立場によって感じ方は違うでしょうね。気の毒と言えば、サントリーも気の毒。たぶん代理店(ビールだから博報堂?)に丸投げですよね、きっと。)

大変失礼だが、五輪のエンブレムのコンペに勝つような人が、キャンペーンもののデザインの全てを直にやっているとは思えない。
この手は、佐野氏に就いている下のデザイナーの仕事だろう。
コンセプトを指示し、下のデザイナーに作らせ、それを総括する。
で、その過程で彼らがチョンボした。ありがちなことだ。

その位の事は容易に推測できるし、独立して8年超。世間では色々と言われてはいるが、模倣だけでここまでやっては来られないと思うので、佐野氏には相応の実力があったとは思う。
それなのになぜ、佐野氏が世間からここまで執拗に攻撃されるのか?それこそが大手(大きな組織)と中小零細の違いだ。

もしもこれが大手であれば、ある程度のことは〝しっぽ切り〟で簡単に解決する。そんなこと日常茶飯事でしょ。

そう言えば、10年前。私がとある会社を自ら辞めた時(ふふふ。かなりムカつきましてムカッ)、当時の社長以下3トップが、雁首揃えてクライアントのところに挨拶まわりをしたらしい。
「◎◎(私のことね)がクライアントとトラブルを起こしまして、会社としてもこれ以上フォローできないと判断し、解雇しました。しばらくご迷惑をおかけしますが、宜しくお願いします。」と。

色々なクライアントさまから、直接お電話を頂きましてねぇ。
「ねぇ。ねぇ。解雇されたんだって!ニコニコ 挨拶に来たよ~!」と。
「あらっ、そうなんですか?私、解雇されたんですね。それは知りませんでしたハート そういうことを言い回ることで、逆に自分達がどう思われるか?ということが解っていないんですよ。おめでたいんです。恥ずかしいことで・・・。本当にすみません。」
「まっ、大企業病だな。」当時、そう言ってよく笑ったものです。
もしかしたら、彼らは私を〝しっぽ切り〟したつもりだった?

さて、話は戻して。
〝しっぽ切り〟が通用する大手に比べて、中小零細は、従業員がやったこと全てが社長の責任となる。
佐野氏の責は、ご自身のチェックが甘かったことと(キャンペーンには、ご本人のデザインと謳っていますからね。)、従業員の教育が行き届いていなかったということになるが、トレースだなんて、教育以前の問題に思えますけどね。
従業員側の意識ももう少し成熟してくれないと。大人なんだから。
自分のやったことがどうなるかくらいの想像力は働くでしょう。
イヤイヤ、もうムリなのかしら。
悪気もなく大学の卒論をコピペで済ませる世代が世の中に出てきているんだから。そもそも何が悪いのかも理解できないのかも。

いわば、このパターン。職場の冷凍庫に寝転んでSNSで拡散したバカなアルバイトと同じ構図です。解ります?
要は、こういう従業員の行動ひとつが、会社を一瞬にして吹っ飛ばす事態になってしまうということを自覚するべきなんです。
こういう事件を見ると、私達経営者は、新たなリスクマネジメントが必要な時代だと実感するわけですよ。本当に恐いわ。

お粗末な大人が多くなっているのは、全国的な傾向のようで。
他人事ではありませんね。当社も気をつけないと・・・。


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