最近、『残業ゼロ法案』 が話題になっているが、私はその背景には〝労働生産性〟の問題があると思っている。
そういえば、5/13(火)の新聞の見出しも、〝稼ぐ力に衰え〟でしたね。
毎年発表される日本の生産性の動向。
製造業の生産性だけを見ると先進7カ国中3位。
つまり、ホワイトカラー部門の生産性は低いのが日本の実態ということだ。
労働生産性とは、労働力 (時間単位当たりの労働投入) に対してどれだけの価値を生むことができたかということ。従って、少ない労力でより多くの利益 (成果) を得ることが、生産性が高い状態となる。
日本は、労働時間に見合う利益が上げられていないということで、これはまさに国民の能力・資質が低下していることの表れだと思う。
私は元々残業をする人は能力がないと思っているし (会社員の時は、自分にもそのように言い聞かせていた)、大体、残業をすれば成果が上がるなんていうのは大間違いで、そういう慣習はさっさと取り払った方が良い。
残業が人事考課に影響しないことは、ニュースでも発信していた通り。
そして、なんといっても日本人に足りないのは〝危機感〟だと思う。
欧米は非常にシビア。それは外資系の企業と取引するとよく判る。
いとも簡単に 「明日から来なくて良いよ。」 と言われる世界だ。
(当社の派遣スタッフも、かつてこのパターンで切られた経験がある。)
日本のように企業が社員に甘くないし (特に正社員)、だからこそ残業はしないけど、成果を出さないわけにはいかない。その分必死に働くのだ。
そして、どうすれば成果が上がるか考える。工夫する。
一方、人を大切にし、定着を大事にする日本型雇用の利点も十分感じる。
仕事は、目に見えない部分での理解がベースになることも多い。
それは、経験あってこそだが、問題は、経験が〝経験〟となり得るのか?というところにあるのだろう。
いずれにしても、この機会に自分の仕事の仕方を考えてはどうだろうか。
19年間最下位・・・の結果は、この厳しい時代において、日本人自身の意識が少しも転換していないことの表れなのだから。